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(無料記事)手動リトポは効率が命

(以下、約 2,800文字の記事です。)

手動リトポはツールの使いこなし次第で、長時間の単調でつまらない作業にもなりますし、効率的にサクサクとトポロジを組み上げていく楽しい作業にもなります。ツールの使いこなし次第で仕上がりまでの時間に大きな差が生まれます。

時間をいくらでもかけていいならば別の手段やツールを駆使した結果、完成したトポロジ自体がほぼ同じになることは有り得ます。ですが、同じ結果ならば早くて効率の良い作業の方がいいでしょ?

1万回のクリック作業よりも50回のドラッグ作業の方が楽で早いでしょ?

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手動リトポは退屈でつまらない?No!楽しいよ

私も最初はそう思っていて、なかなかリトポに関するツールや情報収集をしていませんでした。しかし、RetopoFlowが1年以上かかってようやくベータ版から安定版としてリリースされたのをきっかけに、加えてサブスタンスペインターも触ってUV展開の重要性を理解した結果、どうやら理想的なトポロジは自分で作り出すものだ!ということに気が付きました。そこで、手動リトポを検討するようになりました。

そして実際にRetopoFlowで手動リトポしてみたところ、思ったよりも楽しかったのです。理想的なトポロジを自分で作っていくと、今まで見えなかった「理想のトポロジライン」が徐々に見えてきました。

宝物の発掘作業のようです。楽しかったのです、これが!

リトポの可能性を考えられなかった頃は、Zbrushでポリゴン面のカクツキが目立ったならばサブディビジョンレベルを上げるしか手がなかったものが、理想的なトポロジになればそんなにポリゴン密度を上げなくてもスッキリした表現になります。それは完成した造形に対して適したトポロジとなるように後から変更することで初めて生まれる「両者の一体感による最適な表現」だからです!表現したい立体形状と、それに適したトポロジ、この2つは同時の作業で一気に作ることは極めて難しいのですが、その作業を2段階に分けることでぴったりのトポロジと立体造形になります。

3DCGメッシュとして完成させる楽しさ

楽しいんですよ、トポロジを作っていくのが。形として仕上がった物が、次にトポロジも仕上がっていくのを見て、ようやく「3DCGメッシュとして完成していく」という面白さがあります。

「形として仕上がればそれで完成でいいや」と思うならば、確かにスカルプトが終わった時点で作業は終了ということになります。そこから3Dプリンタなどで立体出力することが目的ならば、リトポ作業はそもそも不要です。デシメートして情報量を減らせばいいだけですから。

もちろん、ゲームキャラなどのリグモーションが前提のメッシュであれば、そういう観点とは別に「ポージング時に関節などでアラの目立たないトポロジ」にしなければなりませんので、手動リトポは必須の作業工程になります。未だに全自動で一発OKなリトポツールは無いと思います。

手動リトポのツールの使い方が面倒くさそう

私も始める前まではそう思っていました(笑)

そこでこのマガジンでは、1~2時間程度で読み終えてRetopoFlowのほぼ全ての機能を使いこなせることを目指しました。すぐに実戦投入=リトポできるようにすることを目的としています。

RetopoFlowはかなり効率的に手動リトポできるように、半自動で複数の面を一気に張る機能が多数あります。ですので、実質的に半手動リトポになります。RetopoFlowでは如何にこの半手動の操作を覚えて効率的にリトポするかが鍵となります。1回のドラッグは一瞬で終わりますが、1面ずつクリックで面を張っていてはいつまで経っても終わりません。

完全手動リトポ作業は仕上げ直前の「半自動ではどうにもならない小さな領域部分の穴埋め作業」としてのみ使うことを意識して下さい。

元の形状と作業手順のパターン化

なのでこのマガジンでは「元の形がこういうときには、こういうツールをこう使うと一気にリトポ作業が進む」ということをお伝えしていきます。そのパターンがある程度身に付けば、手順に沿った作業をするだけで一気に面張りが進みます。このパターンの網羅を当マガジンでは目指しています。

当マガジンをざっと理解し終えれば、後はユーザーが以前作ったスカルプトメッシュを、ご自由にリトポして試してみて下さい。きっとリトポ作業が楽しいと感じるはずです。

手動リトポは面倒くさい!だが半自動ならば楽しい

プチプチと1面ずつ張ることもできるけれど……。

3DCGのソフトによってはおまけで手動リトポ機能がありますが、1つの四角面を1つずつ張っていたら夜が明けます。面倒だし、つまらない

全然楽しくない!

ですがRetopoFlowでサクサクと面を張り、イメージ通りの理想的なエッジラインが出来上がっていく様子は、楽しいのです!つまらないはずがない。

数秒の作業で一気に面張りが終わる快感♪

後は実際に触ってみてください。本来は約12,000円ほどする有料アドオンですが、開発者公認の方法で無料で利用することができます。もちろん本マガジンにその方法を収録してあります。

【最後に】トポロジ縛りからの開放

ハイポリスカルプト造形をいつでも簡単にローポリメッシュに戻すことができるようになります。そうなればいつでも造形中に「このトポロジ(エッジの位置)が嫌だ、作業しづらい」と思ったら即リトポでスッキリ解消できます。

ローポリをハイポリにするのは簡単ですが、作業が進んでいくと、逆が必要になるシーンが多々あります。ですが今まででは手動リトポの手段がなかったために、何とか既存のトポロジを生かして形を作るための「あれこれと無駄な工夫」が必要でした。ですが今は違います。

RetopoFlowを使ってさっさと「今の造形にぴったりなトポロジに再構成し直す」ことで、後工程の作業が楽になります。トポロジが今のメッシュ形状に沿っていれば、ディビジョンレベルを上げまくらずともスッと「メッシュが今の形状になじむ」からです。

今の形状の山・谷の境界線にエッジが沿って存在しているかどうかが重要になります。

鋭いエッジ形状の制御に特に効果的です。そもそも鋭いエッジをハイポリで制御し続けることはとても難しいことです。相当なスカルプト技術が必要です。

ですがローポリにリトポする作業には大した技術は要りません。RetopoFlowの使い方を知っていれば簡単にリトポできます。そして本質的に、その形状に最も合ったトポロジにできてさえしまえば、次の作業がスムーズです。

急がば回れなのです。

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