このマガジンは「PMXエディタではなくて」BlenderでMMDモデルを改造するためのヒント集です。Blender+MMD Toolsアドオンでモデル改造を行なうための実践テクニックを集めました。
(約 3,100文字の記事です。)
更新履歴
2024/04/21 更新
2024/04/21 更新
2024/04/17 公開
学習内容
- Blenderを使ってMMDモデルを改造していきます。
- 9割以上をBlenderで作業します。Blenderでは操作不可能な作業でのみPMXを利用しますが、必須作業ではありません。
- MMDモデルを題材に作業しますが、身に付く知識は3DCGモデリング作業に応用できます。
- モデル形状の研究を通じて「美しいモデルの見せ方」を学ぶことができます。
対象者
MMDモデルを観察、改良したい人
既存のMMDモデルについて、
- メッシュの形状変更、トポロジ変更
- 頂点モーフの追加と編集
- 材質分離と追加
- ウェイト調整
これらをBlenderで操作する方法を解説します。
対象読者
- 既にMMD動画を再生できる環境がある人(ソフトのインストールなどからの解説はありません)
- MMDモデルの形を変更したい人
- MMDモデルにオブジェクトを追加したい人
- MMDモデルのモーフ変形を追加・変更したい人
- MMDモデルのトポロジ変更したい人
- Blenderの基本的な知識がある人(Blenderの使い方の解説はありません)
MMDソフトで既存モデルを読み込ませて、ダンスモーションを再生できる状態にできていることを前提としています。「ソフトをどこから手に入れるの?」というレベルから解説していません。Google検索などですぐに調べられますのでそちらをご利用下さい。
解説しない内容
なお以下のような人には向きません。
- 剛体とジョイントを編集したい人
- Ray-MMDなどのレンダリングを追求したい人
- Blenderでダンスムービーを作成したい
- 背景を含めた動画作品をを作りたい人
- トゥーン表現や線画表現を追求したい人
上記内容については解説する予定がありません。理由としては以下の通り。
- 剛体やジョイントはMMD限定の物理演算に関わる。習熟してもMMD以外のソフトへの応用性が低いため。MMDソフト本体はアプデが絶望的なのでソフト本体に習熟してもノウハウを他に生かせないため。
- Ray-MMDなどによる美麗でリアルな表現もMMDソフト依存であり、そのノウハウはRay-MMD限定なのでノウハウを他に生かせないため。
- Blenderでのダンスムービー、これはBlenderでの物理演算に習熟する必要がある。それだけでも学習量が膨大になるため当マガジンでは手に負えない。
- 背景を含めた動画作りはそれだけで一つの分野になるほど広くて深いテーマ。なので当マガジンでは手に負えない。
- いわゆるアニメ調の表現は、これまた一つの分野になるほど広くて深いテーマ。なので当マガジンでは手に負えない。また線画表現についてはこれまた広くて深いテーマ。最先端のプロでもそれを効率よく作成するための研究が進められているほど。当然手に負えない。
ですので当マガジンではあくまでもMMDモデルそのものに対する改造をテーマとしています。背景も含めたMMDムービー作りについては解説していません。
要するに当マガジンでは「MMDモデルのメッシュ編集、ウェイト編集と頂点モーフ編集に特化」しています。
必要なもの
- Blender 3.6.x
- MMD Tools アドオン
- MMD本体
- PMXエディタ
- 記事の内容によっては有料のアドオンが必要になる場合があります。
必要に応じて各自で有料アドオンを用意して下さい。記事によってはそのアドオンが使える事を前提として解説している場合があります。
本手法の特徴
本手法の特徴は以下の通り。
- ほとんどの編集作業をBlenderで行ないます。
- PMXエディタは基本的に使いません。(予定としてはウェイトをSDEFに指定するときしか使いません。それ以外は全部Blenderで作業できるので。)
- 材質分けや頂点モーフ、マテリアルモーフ、モーフグループの編集、モーフの不可視かなどもBlenderで行ないます。
- モデルに自作の新しいオブジェクトなどの追加も行えます。
なぜBlender?PMXエディタではない理由
Blenderは無料の3DCGソフトであり、3DCG業界で主力のMayaなどに匹敵するDCCツールです。3DCGを気軽に始めてみたいという初心者ユーザーからプロのクリエーターまで幅広く指示されています。ですのでBlenderには今後ますます注目が集まりますし、将来性があります。
それに対してPMXエディタはMMDの両輪として併走して開発された経緯があります。ですのでMMD専用の編集ツールです。ソフトのUIから使い方、癖まで、全て独特であり、DCCツールのような汎用的な知識は多くありません。
ですので同じ作業をBlenderでもPMXエディタでもできるのであれば、Blenderに習熟したほうが将来性があります。Blenderに慣れるだけでも価値があります。ボーン、ウェイト、vmdファイル読込によるポーズ変更(リアルタイムモーションは重すぎて実質使い物にならない。要レンダリング必須)、メッシュの編集操作、UV展開からのテクスチャリングなどなど、3DCGの基本的な作業をBlenderで行えるようになります。将来的な応用範囲がとても広いです。
MMDを通じてキャラクターモデリングの基礎を身に付ける
そこでMMDムービーやMMDモデルの観察・改良を通じて、普遍的な3DCGキャラクターモデリングの基礎力を「MMDを楽しみながら身に付けられる」ように当マガジンを執筆することにしました。
ゼロからキャラクターモデルを作るのはとても大変です。ですが既存のMMDモデルであればすぐにダンスさせられます。また自分が気になったところを改良したり編集したりすることで自然とBlenderの操作方法とキャラクターモデリングに関する知識を増やせます。そうやって3DCGになれていけば、自然とフルスクラッチでゼロからのオリジナルキャラクターを作ることができるようになるでしょう。
ゼロから生み出すのではなく、楽しみながら1.0を1.5や2.0にする経験を得る。それらが積み重なれば逆に0.5から1を生み出せますし、ついには0から1を生み出せるようにもなります。
大切なことは「楽しみながら3DCGになれること」です。まずはMMDを楽しみましょう。MMDモデルをたくさん観察しましょう!😍
どうかこのマガジンが多くのMMDユーザーのお役に立ちますように。
気に入った人は是非ともご購入をお願いいたします😊
大和 司